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第14回 歴史が薫る、赤煉瓦の似合う街 レトロ大里

2010 年 12 月 21 日 火曜日

赤煉瓦の似合う海岸線

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門司のもうひとつのレトロ

北九州市でレトロといえば門司港。

そう思っているあなた。

まだまだ修行が足りません。

ある意味、門司全体にレトロ感が漂っていると言っても過言ではありません。

そんな中、JR鹿児島本線で門司港に行く途中、多くの赤い煉瓦の建物を目にしませんか?

そうなんです。

JR門司港駅から二つ先のJR門司駅周辺には、赤い魅力的なレトロな風景が見られるのです。

今も現役として活躍している赤煉瓦の街並み。レトロ大里と言ってもよいでしょう。

今回はそんなリアルな街並みとその周辺をご紹介しましょう。

門司駅北口風景

門司駅北口風景

親しみを感じる赤煉瓦の風景

もともとJR門司駅北口には、2000年までサッポロビール九州工場があり、

門司の産業の中心を担っていました。その当時を知る方なら風向きによって薫ってくるあのホップ独特のにおいをご存知でしょう。

現在、工場跡地には高層マンション、、飲食街、大型家電店、戸建住宅が並び、その中に当時の面影を残したサッポロビール旧社屋と赤レンガの醸造棟、数棟の赤レンガ倉庫が保存されています。

どれも1912年ごろの建造物で歴史の重みを感じさせてくれ、旧社屋ではサッポロビールの資料館としてビールの歴史、ラベルやCM、ビール瓶などの移り変わりを楽しむことができます。

サッポロビールの遺産

サッポロビールの遺産

赤煉瓦通り その1

赤煉瓦通り その1

赤煉瓦通り その2

赤煉瓦通り その2


また、醸造棟は一年に何度か開放され多くの見学者で賑わいます。

この周辺ではよくTVや映画の撮影が行われ、時代を感じさせる街並みがレトロな映画空間を創造しています。

最近も有名なテレビシリーズのロケが行われたので、放送をお楽しみに。

この赤煉瓦の風景。みなさんも、アングルを変えて周囲を見てみたら、創業当時の風景をを見ることができるかも知れませんよ。

しかし、改めてこの周辺を見ると、サッポロビールの九州工場は本当に広かったと感じるのです。

サッポロビール旧醸造棟跡

サッポロビール旧醸造棟跡

サッポロビール旧事務所

サッポロビール旧事務所


長崎街道大里宿場

もともとこの界隈は、長崎街道の大里宿場のあった場所。

赤煉瓦通りと合わせて門司のスポットのひとつです。

江戸時代になり参勤交代制が始まると、全国の道路網が整備され、大里宿場も、本州から九州に渡る拠点として栄えてきました。

豊前大里宿絵図

豊前大里宿絵図


当時の面影はほとんど残されていませんが、宿場跡内の道路は殆どそのままの姿を残していると言われ、本陣、番所、郡屋、人馬継所、牢屋などその跡を示す碑が多く建てられています。

当時の人たちは街道を歩く前方に巨大な建造物(マンション)が建てられるなど想像もしていなかったでしょう。

唯一、江戸時代末期の物と思われる家屋が残っており、歴史を感じさせてくれます。

お茶や跡碑

お茶や跡碑

御在番役宅・浜屋跡碑

御在番役宅・浜屋跡碑

人馬継続所跡碑

人馬継続所跡碑

一里塚標石跡碑

一里塚標石跡碑

豊前大里宿跡碑

豊前大里宿跡碑


しかしこの家屋、老朽化が激しく、倒壊するのではないかと心配です。

色々と事情があるかもしれませんが何とか保存していただきたいものです。

歴史の生き証人ですから。

現在、サッポロビール旧社屋前には、豊前大里宿絵図が設置されているのでそれを見ながら当時を想像してみるのも面白いかもしれませんよ。

奥に高層マンションが見える大里宿の道路

奥に高層マンションが見える大里宿の道路

面影はあるか?

面影はあるか?


現役の赤煉瓦工場

大里宿場跡を門司港方面に歩き、そこを抜けると、甘~い香りが漂ってきて赤煉瓦の工場前に出ます。

みなさん、バラ印やスズラン印の砂糖をご覧になったことはありませんか?

社名は何度か変わっていますが、創業100年を越える老舗の関門製糖株式会社です。

こちらの工場は現役!当時の赤煉瓦社屋をベースに補強工事を行い現役を続けているのです。

ちょうどJR鹿児島本線から見えるのは、赤煉瓦作りの建物の上に建て増しをした姿。

国道199号線沿いから見ると、これはほぼ当時のままの姿ではないでしょうか。

歴史を感じさせる威厳のある姿を魅せています。

JR鹿児島本線側から見た関門製糖(株)

JR鹿児島本線側から見た関門製糖(株)

国道199号線側から見た関門製糖(株)

国道199号線側から見た関門製糖(株)


関門海峡の岸壁には赤煉瓦作りの事務所や倉庫が建ち並び、当時の面影を残しています。

ちょっと入ってみたくなる、そんな感じなのですが残念ながら入ることはできません。

しかし、外から眺めていてもレトロな味わいを十分堪能することができます。

また、海岸には階段のようなモノがあり、当時の人たちがそこから船に荷を積んだり、おろしている姿を想像することもできます。

さらに潮風を浴びながら、国道199号線を門司港方面に進んでゆくと、またまた大きな赤煉瓦倉庫が現れます。

アサヒ協和酒類製造株式会社門司工場の倉庫です。ここも社名が変わりましたが、門司で創業100年を越える、老舗の工場です。ほかにも多くの赤煉瓦倉庫があったのですが老朽化が進み惜しくも取り壊されてしまいました。

でも、残せる物を最良の形で残してくれているのではないでしょうか。

門司の産業の歴史を、後世に伝えてくれて感謝です。

関門海峡側の倉庫

関門海峡側の倉庫

アサヒ協和酒類製造(株)門司工場の倉庫

アサヒ協和酒類製造(株)門司工場の倉庫


赤煉瓦の似合う海岸線

門司港レトロほど整備はされていないけど、その分リアリティのある街並みが続いている、大里のレトロ。

赤煉瓦の赤と関門海峡の海のブルーのコントラストが大変美しく、潮風の心地よさとあいまって周辺散策がより一層楽しく感じられるのではないでしょうか。門司港レトロとは一味違う大里レトロをぜひ見て感じてください。

関門海峡

関門海峡


ライター/碇 義彦

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