櫻庭千尋さん(日本銀行北九州支店長)

このコーナーでは、仕事などで北九州市に転居してこられた方にインタビューし、この街の住み心地や魅力について語っていただきます。
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北九州市は海に向かって東西に広がっており、地理的な要因や歴史的な背景から7区それぞれに個性的な様相を見せている点がおもしろいですね。
たとえば、門司港は九州最北端の街として本州や大陸への玄関口の役割を担い、たいへんな賑わいを見せていた時代がありました。今では歴史的建造物を美しく再生させ、観光都市として多くの観光客を集めていますね。

門司港駅前 
 
  また、八幡東区にはかつての製鐵所の高炉跡や史跡なども多く、他では見られないダイナミックな景色に出会い、はっとすることがあります。洞海湾に沿う工場群の中には白亜紀に噴火して固結した火山があるのをご存じですか。
妙見山と城山は白山火山帯の火山で、妙見山では古い基盤を押し上げて噴出し新しいマグマが固まった火山岩頸(ネック)が観察できるんですよ。

 妙見山火山跡
八幡西区の木屋瀬周辺では、長崎街道の宿場町としての風情ある町並みが見られます。ここにある小さな郷土史料館にはたくさんの古民具が置かれていますが、ここではその古民具を見学者が実際に手に取って、どういう使い方をするか考える展示方法をとっているんですよ。とても珍しいことです。
同じように、東田にある「いのちのたび博物館」では、縄文式土器などのレプリカをジグソーパズルのように自分で組み立てられるようにしていましたね。ただ説明文を読むのではなく、想像力を働かせることで、ここでの体験が印象深く心に刻まれます。形だけの施設ではない、長い目で見て文化を育てようとする作り手側の熱意とも言うべきものが感じられ、とても好感がもてました。  

みちの郷土史料館 
 

北九州市立自然史・歴史博物館
「いのちのたび博物館」
  都市には様々な歴史がありますが、北九州ほど近代百年の歴史に厚みのある都市はないと思います。
二十世紀の初頭、東田に建設された官営八幡製鐵所に火が入れられてから約百年。
隆盛、衰退、再生のドラマの舞台となりながら、この街は独自の道を切り開いてきたのではないでしょうか。そして今、歴史と文化を守り育てながら、環境先進都市としての技術力を生かし、着実に新しい都市へと前進しています。海と山両方の豊かな自然が身近にある一方で、街のそこここに人情味あふれる市場がある。これからもいろいろな発見があるんじゃないかと、休日がとても楽しみです。
 
●妙見山火山跡
公開日時/毎月第3日曜日:午前10時~11時
申込受付/公開日の前週の水曜日までに電話申込
電話/093-622-7243
場所/北九州市八幡西区東浜町1-1    黒崎播磨株式会社
●みちの郷土史料館
開館時間/午前9時~午後5時30分(入館は午後5時まで)
休館日/月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)・年末年始
入館料/一般:200円 高校生:100円 小・中学生:50円(30人以上団体割引あり)
場所/北九州市八幡西区木屋瀬3-16-26
電話/093-619-1149
●北九州市立自然史・歴史博物館「いのちのたび博物館」
開館時間/午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日/年末年始
入館料/大人:500円:大学・高校生:300円:小・中学生:200円
    (30人以上の団体は2割引)
場所/北九州市八幡東区東田2-4-1
電話/093-681-1011
ピアスペース のーてぃす

営業時間/午前10時30分~午後6時
定休日/月曜・第1火曜
    (月曜日が祝日の場合は火曜)
お昼ごはん/840円
駐車場/4台
場所/北九州市八幡西区木屋瀬4-11-5
電話/093-617-9977
100年の歴史がある商家を利用した雑貨とカフェのお店「ピアスペース のーてぃす」。人気は一日限定10食のお昼ごはんで、雑穀米のご飯や豆乳汁など体に優しい素朴な味が好評。体も心もほっと落ち着ける町屋カフェです。

ミュージアム
(いのちのたび博物館内)
「発掘名人」Sサイズ:367円
土のブロックを、のみで少しづつ削り骨材を発掘。組み立てれば恐竜の骨格標本になる?はず。あなたもチャレンジしてみませんか。

 

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