エステティックサロン ノーブル 和田久美子さん

様々な活動を通して交流のある方を紹介で繋ぐ、リレートーク形式のコーナーです。北九州に仕事や生活の拠点をもち活躍している方々から、この街の多彩な魅力を語っていただきます。

平成5年8月、小倉の中心市街地にエステティックサロン「ノーブル」をオープンした和田久美子さん。来年には開業から20年目を迎える和田さんに、起業当時のお話や業界の事、そしてこの街の魅力についてうかがいました。(以下敬称略)<br />

安心できる料金で女性を綺麗に
人を向かわせる信頼が裏付け

Q.ご出身はどちらですか?

福岡市中央区の出身で、転勤が多かった父の仕事の関係で、小学生の時に北九州市に来ました。それからはずっと北九州に住んでいます。

Q.今のお仕事もこちらで始められたのですか?

はい、サロンに勤務してエステやマッサージなどの技術を勉強しました。

この業界は仕事をしながら、自分で勉強をし技術を習得していきます。

しっかりと経験を積んでいきながら、いずれは自分でサロンをもちたいと思っていたところ、美容関係の方から、撤退した店舗があり引き継いで営業してくれる人を探している、というお話をいただきました。

迷いはしましたが、一度やってみようと決心してみると、タイミングが良かったのか、いろいろなことが上手く運び、サロンをオープンさせることができました。

Q.今から20年前というと、まだ同様のサロンは数が少なかったのでは?

大都市では大手のエステティックサロンが話題になっていましたが、北九州はそこまで広まっているという感じはなかったですね。

この街は大きな都市に比べて、5年くらい遅れてやってくる傾向があるような気がします。

その当時の大手サロンでは、入会金や利用料金が高い、契約料が何十万円という話しも聞き、悪いイメージをもたれていました。

女性は誰でも綺麗になりたいと思っています。

なので、低料金でお客様を綺麗にしたいという思いで、入会金も追加料金もない、1回でもOKという、誰でも安心して利用して頂けるようなシステムにしました。

その考えはこの約20年間変わらず、若干の料金の値上げはしましたが、女性のみなさんに身近なエステをと営業を続けています。

Q.大手サロンのような広告などもせず、営業していくのは大変だったのでは?

今のビルに移る前、井筒屋横の東映会館で長い期間営業をしていました。

その場所がとても良く、お客さまが「東映会館の中にあるサロンだから信用できる」と、飛び込みでたくさんの方が利用してくださるようになりました。

思えば北九州の人は手堅いというか、新しい物は好きだけれど、これなら大丈夫という安心できる材料があってはじめて足を運んでくれるような気がします。

その頃から5年、10年と通ってこられる方、50代60代の方もたくさんおられます。東映会館の中にサロンをもてたというのも、今もこうしてやってこれている理由の一つだと思います。

女性や若者のパワーを実感
誰もが住みやすい街へ

Q.女性が起業することの大変さはありますか?

仕事柄ブライダル関係の方と接する機会が多いのですが、そこでは多くの女性が活躍しており、女性のパワーはすごいと感じます。

しっかりとした意見をもって男性を引っ張っていることもあり、それで対立するのではなく、男性をたてるところはちゃんとたて、認め合っているという関係ができています。

がんばっている女性が多いことからも、女性だから大変ということはないのでは。

この街は起業するには都市の大きさがちょうどいいと思います。

埋もれることなく、ほったらかされず、手助けしてくれる人がたくさんいます。

頑張って行こうとする人に力を貸してくれる人がいて、私の時も随分助けられました。

なので、これから起業しようとする人がいれば、今度は自分が力になりたいと思っています。

Q.街が活気づくには、若い人にも頑張ってもらいたいですね。

女性だけでなく若い人たち、20代後半から30代の若者のパワーも感じますよ。

美容に限らず飲食関係でも、若い世代が頑張っていて、世代交代がきちんとできていると思います。これまで時代を引っ張ってきた上の世代が若い人たちにアドバイスをする。

肝心なところは隠すとか意地悪をするのではなく、ちゃんと受け渡してしまうところまで面倒をみる。

そんな関係ができているようなので、夢をもっている若い人たちにはどんどん飛び込んでもらいたいですね。

外から見た時、北九州はとかく暗いイメージで語られることが多いけれど、私自身は危険だと感じたことはありません。

生活圏にスーパーや銀行、病院がたくさんあって、こんなに住みやすいとこはないと思っています。

ここなら、歳をとっても暮しやすいと感じます。老いても住みよい街は、誰もが住みよい街ということだと思います。

Q.地元の個人で起業している方同士で、横のつながりなどはありますか?

北九州商工会議所やブライダル業界で組織する「キューティパンジー」などを通じて、地元の個人事業主の方々と交流をもっています。

時代の流れで大きな企業が減ってきているかもしれませんが、小売業や商業の街として、地域の人が住みやすい地域になっていくのもいいのではないでしょうか。

エステサロンも個人で店舗を構えている人、マンションの一室でマッサージやネイルなどをする人、また美容院などで副業的にするケースなど様々あり、数としては増えてきています。

一部ではトラブルになった話しも聞き残念に思いますが、真面目にやっている人が多いということも知ってほしいですね。

誰にでも癒しの時間は大切なので、お気に入りを見つけて気軽に利用してほしいと思います。

都市機能と自然が共存する街
人との交流を通じて良さを再認識

Q.お休みの日はどのように過ごされていますか?

店休日と言うのは特に設けていないので、リフレッシュしたい時には時間をつくって、近くの温泉に出かけたりします。

ここから1時間半以内で福岡県内や山口、大分方面にたくさんのいい温泉地があり、気軽にドライブできていいですね。

温泉を満喫した後は美味しい物を食べたり、道の駅に寄って買い物をしたり、いろいろと楽しんでいます。

またお花も好きなので、季節の花を見に行くこともあります。

先日は梅を見に綱敷神社に出かけてきました。

桜の季節になると、各地にお花見の名所がたくさんあるのもこの街のいいところ。

都市機能の整った便利な環境でありながら、四季が感じられる自然が身近にあるというのも北九州の特長ですね。

Q.お土産物でお気に入りがあれば教えてください。

地元にはけっこうこだわりのお店が多いですが、一年くらい前に小倉北区木町にオープンしたオランジェと言うケーキ屋さんがあります。

そこのロールケーキがおすすめです。

お土産として持っていくと、美味しいと喜ばれとても好評です。

※Orange(オランジェ)/北九州市小倉北区木町1-1-16-1F/TEL 093-591-1365

Q.今後の北九州への期待などありましたら聞かせてください。

今回のこのインタビューは、自分自身「この街の魅力とは何だろう」と考えるいい機会になりました。

知り合いに同じ質問を投げかけてみると、誰もがそれぞれの立場で「こんなところが好き」と長所をあげてくれました。

なんとなくここにいるのではなく、好きでこの街に住んでいるというのが感じられ、改めていい街だと実感できて良かったです。

若者をもっとこの街に惹きつけるために、賑わいのある施設を増やすなどが考えられますが、そのせいで今住んでいる人の快適性が損なわれるのなら、今のままの方がいい。

私のサロンでもお客様が定着しているので、ここでおしゃべりを楽しんだり、ゆっくりと休んでいただいたりと、今のこの状態を大切にしていきたいですね。

一人ひとりに合ったその方が一番リラックスできる場所。

くつろぎを感じてもらえる「大人の空間」でありたいと思っています。

聞き手・文責/崎間恵子

エステティックサロン ノーブル

住所/北九州市小倉北区魚町3-5-13 YSビル6階
電話/093-551-7235

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