大阪シーリング印刷株式会社 所長 竹田 太 さん
様々な活動を通して交流のある方を紹介で繋ぐ、リレートーク形式のコーナーです。北九州に仕事や生活の拠点をもち活躍している方々から、この街の多彩な魅力を語っていただきます。
北九州市内、戸畑・小倉・門司に3工場
得意分野で「ギラバンツ北九州」を支援
Q.御社の業務内容や北九州市との関わりを教えてください。
大阪市に本社を構える、シール・ラベル印刷の会社です。1927年に滋賀県出身近江商人の創業者が大阪市で創業し、関西をはじめ関東、九州、岐阜などに工場を開設するなど事業を拡大。現在、全国に約40の営業拠点と、14の技術・生産拠点を展開し、今年85周年を迎えました。今ではラベルシェア日本一、製品の約85%がシール・ラベルです。その生産拠点として北九州市内に戸畑工場と小倉工場があり、さらに門司工場ではパッケージなどを生産しています。
Q.製品はどんなところで使われていますか?
私たちのお客様には食品関連が多く、例えばスーパーやコンビニなどのお弁当に、さまざまな種類のシール類が使われています。形や材質、デザインも多様です。どれも生活に密着しており、まず消費者に手に取ってもらえるよう、その商品の魅力がアピールできるシールを提案するなど、常に「お客様第一」を心掛けて営業しています。また食品以外にも幅広い分野でのニーズもあり、今年は地元のサッカーチーム「ギラバンツ北九州」へ支援の一環として、チームのステッカーを提供させていただきました。試合会場などで無料配布され、裏面には会社名を入れてPRさせてもらっています。
Q.近年は紙媒体が急激に減ってきており、印刷業界にとって厳しい時代です。
以前はチラシなど商品の宣伝を請け負う印刷会社から、シール制作のみを受注することが多かったのですが、最近ではパッケージからチラシ、シールなど、その商品を売るための戦略をトータルでサポートするようになりました。これも、ラベルやシールの特殊印刷のノウハウがあったからこその強み。シールをやっていて良かったと思います。ここ数年は業界にとって大きな過渡期にあります。変化イコール成長。変わっていかなければ、企業の繁栄はないと思っています。
コンパクトな街に住みやすさ実感
地元ならではの食文化も魅力
Q.北九州に着任されたのはいつですか?
一昨年の平成22年1月に北九州に来ました。大阪で勤務していたころから、門司工場など時々訪ねていましたが、住むのは初めてです。実際住んでみると住みやすいですね。街がコンパクトな点がとても気に入っています。ちょっと行けば自然があるのもいいですね。会社から徒歩圏内に住まいがあり、近くにスーパーや飲食店も多くとても便利です。
Q.北九州の食べ物はどうですか?
やっぱり魚が美味しいですね。大阪では食べません。中でも、初めて食べて感激したのがゴマサバです。大阪にはないので、これは関西で売ってもいけると思いますよ。またお土産にするなら揚子江の豚まんが気に入っています。帰省の際に買って帰ると、子どもたちにも人気ですね。お菓子では北九州ではないですが、さかえやの南蛮往来も美味しいですね。屋台にぼたもちがあるなど甘いお菓子の文化には、北九州の歴史や土地柄が現れていて面白いなと思います。こういったことも、住んでみて初めて知ったことばかりです。
Q.外から見ると心配なニュースが多いと言われますが。
最近は物騒な話が多く、関西に住む家族がそんな報道を聞いて心配しているのは事実ですね。会社から飲食街も近く、ここのところニュースで取り上げられていますが、実際に暮らしていて心配するようなことはないです。大阪から転勤になったかつての上司や、北九州出身の仲間と一緒に食事をしたり、お酒を飲んだりすることも多いですが、恐い思いをしたことはありませんから。この街は自分にとってとても住みやすいところです。
Q.こちらの.北九州営業所は地元出身の方が多いですか?
11名の社員のうち、地元出身は4人だけです。6人いる女性も大分県、佐賀県など、他県出身者が多いですね。大阪出身で初任地が北九州だった社員が、こちらに住んで15年になり、最近マイホームを購入したようです。交通の利便性がいいなど都市機能が充実しながら賃貸の家賃などは驚くほど安い。住宅事情も関西に比べてずっと手頃というのも魅力ですね。
環境都市を目指す北九州市
更なる街の魅力発信に期待
Q.北九州市では官民一体となって様々なイベントを実施していますが、他都市と比べてどのように感じますか?
特色を出そうとしてがんばっているなという印象です。例えば、緑豊かな街づくりや環境都市を目指そうとしている姿勢が顕著に見え、とても好感が持てます。こういったことも、住んでみて初めて分かりました。外から見ただけでは伝わりにくいので、もっと上手に発信していけば、もっと多くの人が住みたいと思う街になっていくのではないでしょうか。
Q.本市は近年、人口の減少や高齢化が進んでいます。
これは私たちのシール・ラベルの仕事にも直接関係してくる問題です。人口減少によって食べる量などが減ると、シールの消費も減少します。シールシェアの多くを食品が占めているからです。ただ、今はまだ高齢化に伴って独居老人が増えているため、人口は減っていますが所帯数は減っていません。食品の消費には世帯数が関わってきます。しかし、おそらく今後5年10年のスパンで、一気にこの世帯数が減少する時期がやってきます。これから先を見据えて、新たな手を今から検討していく必要があると考えています。
Q.地域の人口動向と会社の業績は直結しているのですね。
北九州市には3つの工場があり、地元で700人以上の従業員が働いていますので、そう言った面からも地域との結びつきはとても強く感じます。北九州営業所は大分県や、東は山口県の防府までカバーしていますので、今後も販路を広げ受注件数のアップに注力していきたいと考えています。
Q.最後に、仕事の上で心掛けていることは何でしょうか。
「結果に一喜一憂せず」をモットーにしています。結果は後から付いてくる。目標を設定して努力することが大切です。私は甲子園出場経験もある元球児です。すべての事を野球から学んできました。仕事においても私生活においても、全て野球での経験が活きています。結果ではなく過程が大事だということを社員にも伝え、「顧客第一主義」のもと様々なニーズに応えていきたいと考えています。
聞き手・文責/崎間恵子
【会社情報】
大阪シーリング印刷株式会社
本社所在地 / 大阪府大阪市天王寺区小橋町1-8
ホームページ / http://www.osp.co.jp/