城水悦子さん(株式会社洋建築計画事務所代表取締役)

様々な活動を通して交流のある方を紹介で繋ぐ、リレートーク形式のコーナーです。北九州に仕事や生活の拠点をもち活躍している方々から、この街の多彩な魅力を語っていただきます
第五回 北九州市の良いところ再発見
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  街づくりの原点は“住んでいる人が喜ぶ街”保存するだけでなく、新しい使命を考える  
 
 門司で生まれ育ち、大学時代と結婚してからの計10年間を関西で過ごした後、昭和52年夫婦で門司に帰ってきました。一度ふる里を離れ、またこの街に暮らし始めて思ったことは、海に面して約200kmにも及ぶ海岸線をもつ北九州市にとって、海は常に暮らしとともにあるということです。その開放的で心地よい空間を、ここに住むみんなが誇れる場所にすることが街づくりにおいて一番大事ですね。門司港レトロエリアの歴史的建築物の保存計画に携わりながら、その基本にあるのは「私たちの街を見て欲しい」と思える建物の再生です。融通性をもたせながら現実的な対応を重ねることによって、それらは着実な成果を上げ新しい観光スポットとして新たな使命を担っています。 門司港駅

 門司港駅
 
  華やかかりし時代の“アールデコ”をコンセプトに門司港ブランド『ARTEGEO(アルテジオ)』誕生  
 
アルテジオアルテジオアルテジオ

 アルテジオ
 今、レトロ観光の基盤となっているのは、国際貿易港として栄えた時代の文化遺産とも言うべき近代建築の数々です。それなら、今の自分たちが後世に残せる物は何かと考えた時、“ひと”と“ひとが創り出すもの”を、街の新たな価値と産業へと育てることだと思いました。アーティストの街として門司港から全国へ向けて発信したい。そのために創作活動と発表の場としてアート村を構え、現在9人のアーティストが精力的な創作活動をしています。そしてこの度、新たな門司港ブランドとして『ALTEGEO』を誕生させることができ、うれしい限りです。デザインコンセプトは“アールデコ”。海峡の波をイメージした文様をモチーフにした磁器シリーズなど、気品と芸術性・機能性を合わせもつ多彩な作品が揃っており、高い評価をいただいています。
 三井倶楽部
三井倶楽部
 
  昔を知るよすがが今も色濃く残る清滝界隈大切にしたいロケーションと大らかな気質  
 
 週末になると街おこし等のイベントが多く、ゆっくりと休日を過ごすことができませんが、時間がある時はドライブしたり美術館巡りをしていますね。それに、身近な所にもお気に入りの場所がいくつかありますよ。その一つが清滝に残る路地裏の坂道です。小道を一つ二つと入っていくとタイムスリップしたような気分になりますし、塀に鉄を製造する過程で出る鉱滓(こうさい)が使われているのも北九州らしくておもしろいなと思うんです。また、風師山登山道の途中にある喫茶テラス「すいげつ」はちょっと一休みするのに最適。大きな窓から関門海峡が一望でき、時間を忘れてくつろげます。
 港も路地裏も、この街にはやすらぎがあります。海と山が身近にある恵まれたロケーションと、ここに住む人たちの大らかな人柄が私は大好きです。
路地裏

 路地裏
 
門司港アート村

●門司港アート村
所在地/門司区庄司町19-1
営業/10:00~17:00
休村日/月曜日(祝日の場合は翌火曜日)・年末年始
入館料/無料
交通/西鉄庄司町バス停徒歩5分
電話/093-322-1235

門司港アート村

※芸術家・工芸家を目指す人に創作活動と発表の場を提供し、新たな芸術・文化の“門司港ブランド”を発信する

門司港アートギャラリー 『港のマチエール』

●門司港アートギャラリー 『港のマチエール』
所在地/門司区港町7-18 旧大阪商船2階
開館時間/9:00~17:00
休館日/年末年始
入館料/無料
交通/JR門司港駅から徒歩約2分
電話/093-332-0106(門司港レトロ倶楽部)

門司港アートギャラリー 『港のマチエール』

※門司港アート村アーティストたちの作品を展示した常設ギャラリー。陶芸・木工・彫刻・ガラス工芸・弦楽器など様々。

●喫茶テラス『すいげつ』
所在地/門司区元清滝5-22
営業/11:00~22:00
定休日/月曜日(祝日の場合は営業)
交通/JR門司港駅から車で約3分
電話/093-331-2631※関門海峡が一望できる絶景と、おふくろの味が人気の穴場スポット。料理やコーヒーに風師山の美味しい湧き水を使っており、その味に魅せられた常連さんも多い。一銭洋食セット:750円、焼きそば定食:750円、ハンバーグランチ:1160円
喫茶テラス『すいげつ』
喫茶テラス『すいげつ』
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