松原瑛美さん・松原清美さん(韓菜美 店主)
様々な活動を通して交流のある方を紹介で繋ぐ、リレートーク形式のコーナーです。北九州に仕事や生活の拠点をもち活躍している方々から、この街の多彩な魅力を語っていただきます。
韓国料理店「韓菜美」をオープン
地元産の野菜を多く使います
Q.姉妹お二人とも、北九州市のお生まれですね
4人兄弟の全員が北九州生まれです。育ったのも、まさにここ。福岡で建築業に携わっている兄が設計し、自宅を改装した店舗です。リビングやキッチンの配置もそのままなので、昔の自宅を思い描くことができて、兄弟たちはみんな懐かしく思っています。
母は以前、徳力アピロス(ダイエー、現在はサンリブ)でコリアンハウスというショップを経営していました。手作りのキムチなどを売るその店を6月にこの場所で復活させ、8月には「韓菜美」をオープンさせました。
Q.韓菜美では、どんなものが食べられるんですか
韓国料理というと焼肉のイメージが強いかもしれませんが、家庭料理は野菜をおいしく食べられるメニューが豊富なんです。女性に美しくなってほしいという願いも込めて、「菜」と「美」の字を屋号に入れました。
メニューでは、キャベツともやしがたっぷり入ったホルモン鍋が人気です。母親秘伝の醤油と味噌ベースのオリジナルのタレでいただきます。「うちのたれ」と名付けた焼肉のたれは、2013年のモンドセレクション銅賞を受賞しました。
Q.韓菜美では北九州の食材を使いますか
食材は地元産のものが多いですよ。若松の潮風トマトはコロっとしていてサイズも手頃、味が濃くてとても使い勝手がいいですね。中身をくりぬいて野菜を詰めて、丸ごとトマトのキムチにします。
各地の直売所などに、手作りのキムチを卸しているんです。納品した帰りに直売所をぐるりと見てまわって旬の野菜をチェックし、おいしそうなものを買って帰って、それがまた季節のキムチになるという繰り返しです。今からならカブのキムチなどがおすすめです。
産直のものは、調理しても味が深くて色がきれいなのでナムルなどにも映えますし、味付けを濃くしなくても素材の味わいがしっかりと楽しめるので重宝します。
アメリカ、久留米と北九州
外に出ると当たり前だった魅力に気づく
Q.瑛美さんはアメリカに、清美さんは久留米に住んだことがあるとか。北九州は、ほかの町と比べてどんな印象ですか
瑛美さん
北九州って治安がよくないと言われますが、長年住んだ印象では、特に危ない目に遭ったこともなくて実感が沸きませんね。アメリカの方がよほど怖かったです。遠方の友人も「北九州は怖いところなんでしょう」と言いながらも、実際に来てみると「そんなことはないね」と。どこと比べても、住みやすい場所だと思います。
物価も安いと思います。アメリカの生鮮食品は、北九州で買えるものと比べると倍くらいします。新鮮さもまったく違いますし、北九州は食に恵まれていると実感しています。清美さん
私は久留米に4年住みました。久留米と比べて思うのは、北九州は移動に便利な町だということです。モノレールやバスなどの移動手段がしっかりしていて、車がなくても暮らしやすいと思います。少し足をのばせば繁華街、少し足をのばせば海、そして山。街自体のコンパクトさも暮らしやすさの一因でしょうね。
また、久留米は焼鳥発祥の地ということもあってか、「鶏」を食べさせる店がとてもたくさんありました。あまりにも鶏料理ばかりが多くて、私は魚が恋しかったです。北九州では当たり前だった、新鮮で歯ごたえのいい魚が食べたい4年間でしたね。
安心できる子育て環境
観光地の多さも魅力
Q.お二人とも、ほかに北九州のお気に入りの点はありますか
瑛美さん
この6月に出産し、北九州には病院が充実しているなと感じました。産婦人科も大きな病院との連携が整っています。また、これは私たちがずっと北九州で暮らしているからというのも理由ですが、かかりつけの病院もあるので安心です。安心して子どもが産めるというのは素晴らしい点だと思います。清美さん
門司港レトロや皿倉山の夜景など、遊びに来た友人を案内できる名所もたくさんありますね。平尾台は家族でバーベキューに行った思い出があって好きな場所ですし、なごしさんのおまんじゅうや、卵屋さんのシュークリームなどお気に入りのお店、お気に入りのスイーツもはずせません。北九州、大好きです。
聞き手・文責/加世田侑季