三木昌義さん(財団法人北九州産業学術推進機構専務理事)

様々な活動を通して交流のある方を紹介で繋ぐ、リレートーク形式のコーナーです。北九州に仕事や生活の拠点をもち活躍している方々から、この街の多彩な魅力を語っていただきます。
第十三回 北九州市の良いところ再発見
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  FAISとして北九州の産業を支えたい。世界的な技術力を持ち、可能性に富んだ街。  
 
産学官連携の学研都市 FAISのスタッフさんたち
産学官連携の学研都市
FAISのスタッフさんたち

三木さんが専務理事を務める北九州産業学術推進機構(以下FAIS)。北九州市立大学、九州工業大学、早稲田大学が集まった学研都市全体の施設管理及び各大学の研究ニーズと企業のニーズをマッチングさせる産学連携事業、その他市内の中小企業への支援業務など様々な仕事を担った第3セクターだ。北九州の産業研究の先端にいらっしゃる三木さんに、北九州の産業分野の勢いを尋ねると「昔は元気でしたね」との答え。高度経済成長華やかなりし頃、北九州の工業生産量は日本全国の6%を占めていたのだとか。他地域の発展が進んだこともあり、現在ではそこまでのシェアがなくなっているが、北九州は技術や産業知識の蓄積量が非常に多い街。新しい技術や産業をおこしたり、技術を高度化して競争力をつけてゆく可能性に溢れた街だとおっしゃった。そしてできるかぎり、FAISとしてその活動を支えてゆきたいという思いが伝わってくる。自らの仕事に希望と誇りを持つ人の姿は、いつだって見ていて清々しい。

 
  環境産業と人の暮らしは密接。技術は人に厳しくも、そしてやさしくもなる。  
 
AIM2階のエコライフプラザ 環境に配慮した商品が並ぶ
AIM2階のエコライフプラザ
環境に配慮した商品が並ぶ

三木さんが「元気でした」という60年代の北九州はしかし、人が住まうのにやさしいものではなかった。濁ってしまった洞海湾、スモッグに覆われた空。企業人として東京や大阪、札幌と転々とし、3年前に北九州に戻ってきた三木さんは街の変わりように目を見張ったという。「ほんとうに街がきれいになりました。洞海湾も紫川も美しく、都市としての機能も高くなっていて…」。強すぎる技術が街を汚した過去もあった。しかし同じ技術の力を持って街が再生したことを感慨深げに話してくれた。北九州市環境局の委託で運営されているAIMのエコライフプラザなど、街の環境を考える活動が体現化し、市民生活に身近になってきていることも、大きな動きだ。街の環境を守ることは、街に暮らす人を守ること。それを体験として知っているのが北九州なのだ。ゴミを出さないリデュース、繰り返し使うリユース、資源として再生するリサイクル。こういった環境産業分野に先駆けていること、これは北九州が持つ魅力のひとつだし、発信することに意味がある。そんな風に三木さんは言う。

 
  こじんまりした感じが魅力。程よいコンパクトさが暮らしやすさに直結。  
 
仕事から離れたときの北九州はどんな街か。尋ねてみると“生活のしやすさ”を挙げてくれた。「まわりに何でもありますでしょう?」とおっしゃる。車で小一時間の距離に、ファッションや芸術など最新の文化的情報が集まる福岡がある。小石原方面に下れば焼き物の窯元がある。そこかしこに温泉がある。東京なら夜明け前に起きて出発するのが常のゴルフだってすぐにできる。自然と都会が凝縮された北九州。その程よいコンパクトさを気にいっていると三木さんは言う。「若い時は、大都市で刺激を受けながら暮らしてもいい。けれど日常を楽しむといったことを考えたときには北九州の“こじんまりとした感じ”は魅力ですよね」。
 
  インタビューを終えて  
 
自然の大きさは北海道にかなわない。都会としての機能は東京にかなわない。けれど自然と都市機能の両方を融合して持っている北九州の“程よさ”が好きだと話してくださった三木さん。ピンと伸びた背筋が美しく、スーツが映える彼の姿に企業戦士という言葉を思い浮かべたものの、休日には畑いじりを楽しむという一面もおありだとか。絵や書をたしなんでみたい、ともおっしゃっておいででした。北九州の美しい風景を、ぜひ描いてほしいなと思いました。
ライター/加世田侑季
 
白島展示館
 

●白島展示館

所在地 / 北九州市若松区響町1丁目108番
交通 / JR小倉駅から車で35分、JR若松駅から車で15分
電話 / 093-752-1460
開館時間 / AM10:00~PM4:00(入館 PM3:30まで)
入場料 / 無料
休館日 / 月曜日、第4火曜日
    (特別休館日 8/14~8/16、12/26~1/7)

 

白島国家石油備蓄基地の優れた設備と機能を紹介するとともに、石油と暮らしの関わり、石油備蓄の大切さを知ることのできる施設。屋外展示場も設けられており、小中学生にもわかりやすく説明されている。一度訪れてみては・・・
 
響灘地区風力発電

●響灘地区風力発電

所在地 / 北九州市若松区大字安瀬
アクセス / JR小倉駅から車で35分、JR若松駅から車で15分

 

北九州市が保有する響灘地区の緑化予定地にある10基の風力発電機。高さ65m、羽根の直径70.5m、年間総発電量は3500万kWhと想定されています。
海岸線に沿って250メートル間隔でならぶ風景は壮観そのもの。ここでみる夕陽はまた格別。
 
 
河内貯水池
河内貯水池

●河内貯水池

所在地 / 北九州市八幡東区大字大蔵、大蔵川上流
交通 / JR八幡駅下車、のりかえ八幡駅から西鉄バス田代行き 堰堤前から奥田入口までの間下車
電話 / 093-582-2054
駐車場 / あり

 

四季折々の自然の美しさを充分満喫できる場所。ベンチに座って湖面を眺めたり、散策したり時間がゆっくり流れていくようだ。湖岸にはサイクリングロードが整備されており、レンタサイクルも利用できる。
 
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