岩科健一さん(株式会社新日鉄都市開発九州支店常務取締役支店長)

様々な活動を通して交流のある方を紹介で繋ぐ、リレートーク形式のコーナーです。北九州に仕事や生活の拠点をもち活躍している方々から、この街の多彩な魅力を語っていただきます。
第十六回 北九州市の良いところ再発見
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  企業城下町・八幡 基幹産業とともに栄えた街  
 
八幡東区高見
八幡東区高見

  岩科さんが北九州市に来られたのは、新日鐵に入社する昭和43年春のこと。「生まれ故郷の横浜から夜行列車でやってきて、小倉駅前からタクシーに乗りました。『高見へ』とだけ言うと、それ以上聞かずに車は走り出す。驚きましたね。なるほど企業城下町なんだと」。北九州(当時八幡)市へ来た時の最初の印象を、岩科さんはそう語ってくれました。さらに九州は南国のイメージだったのが実際にはとても寒かったことや、製鉄所の工場群を想像していたら、高見には見事な桜並木が美しく続いていたこと、また『幸神(さいのかみ)』や『上津役(こうじゃく)』など、きれいな町の名前が多いことなどが、めずらしく印象的だったそうです。八幡中央町は『眠らない街』とまで言われるほど活気があり、基幹産業が栄え、物が充足した時代。後にご自身が高見地区の整備事業や製鉄所跡地の東田総合開発事業などに携わるようになるとは、想像もしなかった今から38年前、岩科さんとこの街の係わりが始まりました。

 
  活きている街に完成形はない 時代の要請に応え変化を続ける  
 
東田再開発計画
東田再開発計画
 

  昭和62年、それまで『鉄屋』一筋だった岩科さんが、スペースワールド開業へ向けて企画開発のセクションへ移ることに。「テーマパークを創ることが仕事なのかと自分に問い、東田全体が見下ろせる丘に立ち考えました。そして、これは街の再生だと気づいたのです」と当時を振りかえる岩科さん。35万坪にも及ぶ広大な土地。基盤整備にも長い年月がかかる中、スペースワールドの開業は起爆剤だったのだそうです。さらに、「その頃は『ものづくり』こそ尊いという考え方に、新しい感性を取り入れていく必要があると、皆が感じるようになってきた時代。自分の感性にあったものが目の前にあれば、需要が生まれ活気が出てきます。街を元気にすることが街づくりの基本なのです」。スペースワールドやいのちのたび博物館、シーサイドスパなどの施設が順次オープンし、都市高速や国道バイパスなどインフラ整備も完了。これからは商業施設や住居ゾーンの開発が行われ、日常の市民生活が営まれるエリアが誕生していきます。「活きている街とは時代の要請に応え変化し続けるもの。その先は街自身が決める」と、数多くの街づくりの実績をふまえ語られる言葉には力強さがこもっています。

 
  八幡駅前地区・東田地区・平野地区 21世紀のコアになる一つの街の姿  
 
JR八幡駅前 平野地区国際通り
JR八幡駅前
平野地区国際通り

  社会人生活の半分以上を八幡で過ごし、この街を「第2の故郷」と感じておられる岩科さん。「街づくり再生の私の仕事場として、八幡は最も条件に恵まれている場所です。何故なら100年にわたるストック(インフラ、文化、サービス施設)が蓄積している。そして何より人々がまじめなことでしょう。銀行筋では八幡支店長はうらやましがられると言われています。貸し倒れがほとんどないからなんです」とも。機能だけでなく感性を大切にした街づくりを行い、100年前の官営製鉄所発祥の地・東田を、次の100年・21世紀も北九州をリードする街として再生する。さらには、八幡駅周辺の活性化にも目を向け、このエリア全体を理想のパークコンプレックス(コンパクトシティ)へと発展させるのが夢であり仕事でもあると語る岩科さん。「10年後に孫でも連れて、皿倉山頂から『ほら爺ちゃんの創った街は元気に活きとるじゃろ』なんて言えたら格好いいなと思います」。街への熱い想いが形となり、次の世代へと受け継がれていく。充実感のある仕事が、岩科さんのエネルギーの源のようです。

 
  インタビューを終えて  
 
 スペースワールド開業の2年前から東田再開発に携わり、誰よりも深い思い入れで街とともに18年を歩んでこられた岩科さん。お気に入りの場所は数限りなくあるとおっしゃる中、あえていくつかをピックアップしていただきました。まずは子ども達が大好きなスペースワールド。そして、高見地区の桜と東田臨海部のシーサイドスパや親水公園。北九州は市民生活と自然が共存する日本でも随一の都市とのこと。この街の3年後、5年後、さらには10年後の姿がとても楽しみになりました。
レポーター/崎間 恵子
 
スペースワールド
 

●スペースワールド

所在地 / 北九州市八幡東区東田4丁目1
アクセス / JR鹿児島本線スペースワールド駅より徒歩5分
北九州都市高速道 枝光出入口より約1分
開園時間 / 9:30~17:00
定休日 / 年中無休
入場料 / フリーパス 大人(中学生~64歳)4,200円、
小人(小学生)3,150円、
キッズ(4歳~未就学児)1,050円、
シニア(65歳以上)2,100円
(親子パス、年間フリーパス等、各種チケットあります。)
駐車場 / 800円(3600台収容)
問合せ / 093-672-3600

 

先進のハイテクを駆使して設計されたパビリオン、スリル満点のアトラクションが揃うアミューズメントエリア。一日中楽しめます。
 
シーサイドスパ

●シーサイドスパ

所在地 / 北九州市八幡東区東田5丁目2-7
アクセス / JR鹿児島本線枝光駅より徒歩8分
東田温泉バス停徒歩2分
営業時間 / 午前10時~深夜1時(24時まで受付)
店休日 / 年中無休
料金 / 大人(中学生以上)900円、
小人(4歳~小学生)450円(3歳以下無料)
身障者(ご本人と同性介護者1名まで)700円
駐車場 / 117台(平日無料、土曜・日曜は4時間まで無料)
問合せ / 093-682-1126

 

北九州市初の本格天然温泉(東田温泉)施設です。東田温泉を使用した露天風呂の他に目的別にわかれた室内風呂も多数あります。
 
 
親水緑地公園 親水緑地公園

●親水緑地公園

所在地/
北九州市八幡東区東田

 

スペースワールド、シーサイドスパに隣接。夕涼みをしたり散歩したり、自然を満喫してみては・・・・
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