檜垣博紀さん(株式会社スペースワールド支配人)
様々な活動を通して交流のある方を紹介で繋ぐ、リレートーク形式のコーナーです。北九州に仕事や生活の拠点をもち活躍している方々から、この街の多彩な魅力を語っていただきます。
おばあさんが小倉生まれであったため、幼い頃に遊びに来ることがあった。それが、檜垣さんと北九州との最初の出会いだ。関門トンネルを通って小倉に向かった記憶がかすかに残っているという街は、よく知っているとは言えなくても決して“知らない街”ではなかった。そのためか、昭和49年に新日鉄の社員として研修を受ける際、東京から夜行列車に乗って北九州に向かったときにも大きすぎる緊張を抱えることはなかったという。「初給料をもらって、初めて飲みに行った街だったんですよね」と、当時を振り返る檜垣さんの目はやさしい。
社会人としてのスタートを切ったこの街には、思い出がたくさんある。路面電車が走っていた頃の北九州で、会社帰りに仲間と共に角打ちに行くなどの男の世界を体験した。鉄の街、企業城下町での暮らし。東京では同世代の仲間と合コンするという華やかな学生生活を送っていた檜垣さんだから、カルチャーショックもあったそうだが、この街で過ごした時間はあたたかかった。
その後、檜垣さんはもう一度北九州にやって来る。平成元年から、平成2年のオープンをはさんで5年までを、スペースワールド(SW)の幹部の一員として過ごした。
今年、再度訪れた北九州市は美しく変わっていた。“公害都市が復活した”とは、北九州についてよく言われることだが、檜垣さんはただ復活しただけには留まらないと言う。「他都市と客観的に比べても、北九州市は美しい。全国に自慢していいほどの環境都市ですよ」。環境保全のために作られた響灘の処理施設などは全国的に見てもかなり早い段階で導入された。リサイクルもすすんでいる。“復活”から更に一歩進んだ先端の環境都市でありながらも、車を30分走らせれば山や湖や海といった自然に出会える。こんなに恵まれた100万都市は珍しいのだと言ってくれた。
またもうひとつ、北九州市は公立学校のレベルが高いのではないかと檜垣さんは言う。お子さんが、小学校時代を北九州で過ごした際の実感だそうだ。「ものづくりの街として、知識の蓄積がある街なんでしょうね」と分析してくれた。小学校、中学校、高等学校。公立学校のレベルが高く維持されているとすれば、それは街の大きな財産だ。
みなさんご存じ、宇宙をテーマにした
スペースワールド。園内には夢が溢れる。
現在、檜垣さんはSWの支配人を務めている。ご家族は東京で暮らしており、当面は単身赴任だ。なぜ、北九州に。なぜ、SWに。その問いに、檜垣さんは少し困ったような笑顔で答えた。「平成5年までの務めを終えて東京に戻ってからも、僕は全国の天気予報を見るときに、北九州の天候をいつも気にかけていたんですよね」。それは正月やGWなど、テーマパークのいわゆる“稼ぎ時”に多かったという。お客さまがたくさん来るだろうか。天候は悪くないだろうか。遠くにいても、無意識のうちにそうやってSWのことを考えていたそうだ。
笑顔が大切で、挨拶が大切で、人を満足させ楽しませる仕事。製造業に関わり、それを楽しんでいた檜垣さんだが、レジャーサービス業のやりがいにも目覚めてしまったのだった。そして何より、一緒に働いたスタッフ達との関係も素晴らしいものだったのだ。“もう一度、かれらと共に働きたい”。そう思える仲間達がいるということ。これも檜垣さんにとって、北九州という街の魅力のひとつだ。
北九州は食べ物が安くて美味しいという話題から、「最近まで焼き鳥屋に豚バラがあるのは北九州だけだった」「北九州では定番のゴボ天うどんが東京にはない」と、しばし食べ物談義に花が咲き、楽しかったです。そうそう、4/29にデビューした“ザ・ターン”に試乗させていただきました(役得!)。気分爽快ですよ!
ライター/加世田侑季
●スペースワールド
所在地 | / | 北九州市八幡東区東田4丁目1 |
アクセス | / | JR鹿児島本線 スペースワールド駅より徒歩5分 北九州都市高速道 枝光出入口より約1分 |
ホームページ | / | target=”_blank”>http://www.spaceworld.co.jp/ |
・ | 支配人曰く「ぜひ遊びに来て下さい。」 |
●旦過市場
所在地 | / | 北九州市小倉北区紺屋町 |
アクセス | / | モノレール旦過駅より徒歩1分 西鉄バス旦過橋クエスト前より徒歩1分 |
・ | JR小倉駅より歩いて行ける距離にあり、“海の幸”“山の幸”が豊富にならぶ北九州市の台所。威勢のいい売り声が飛び交い、買い物客でいつも賑わっている。一度この雰囲気を味わうとくせになるかも・・・ |
●足立山妙見宮
所在地 | / | 北九州市小倉北区妙見町17-1 |
アクセス | / | 西鉄バス 黒原一丁目バス停より徒歩10分 |
問合せ | / | 093-921-2292 |
・ | 足立山の山麓にある妙見宮には、和気清麻呂にまつわる言い伝えがあり、足立山の名前の由来も清麻呂と関係していると伝えられています。また、桜の名所としても有名で、市民の癒しの場所としても親しまれています |