第12回 散策!憩いの紫川 PART 2

バックナンバーはこちら

紫川と遊んでみよう

上流から河口に向けて散策し、「音の橋」「風の橋」「鉄の橋」「太陽の橋」「月の橋」までを紹介したPART1。

紫川の魅力を感じてくれたかな?

これから、シーズン的にも散策に良い季節。季節の移り変わりを楽しみながら、紫川と遊んでみよう。

それでは、紫川の新たな魅力を発見PART2のスタート!

先ずは人通りも少なく、チョットマイナーな「月の橋」とは打って変わって登場するのがこれだ!

NO.6 水鳥の橋(鴎外橋)2000年3月完成 長さ90メートル 幅員5.0~20.0メートル

小倉城や北九州市庁舎を結び、いつも多くの市民が行交っている白く美しい橋。小倉に所縁のある森鴎外、「鴎」の彫刻、紫川に帰って来た鳥たち。この三要素を合わせてデザインされ、治水対策のために架け替えられた。

治水対策?そう、1953年6月、北九州大水害に見舞われ、紫川は激流となってあふれかえり、周辺に大きな被害をもたらしたのだ。そういえば2009年の7月の大雨の時も警戒警報が出ていた。まあ、用心に越した事はない。

この「水鳥の橋」は年末になると、夜はイルミネーションで輝き、紫川に映る光と合わせて、幻想的な空間を醸し出して多くの市民を楽しませ、年末の風物詩となっている。みなさんも素敵な「誰か」と訪れたことがあるのではないかな?

水環境館

今では憩いの川として認識されているこの紫川。ところが30年位前までは、今の姿からは想像できない、超汚れた「死の川」だった。その当時、紫川沿いには違法建築の水上家屋が建ち並び、生活排水を紫川に垂れ流しにしていたのだ。とにかく汚く、それでも今のようにボート遊びを楽しむ事ができていたのだが、冷静に考えるとチョットゾッとする。

そんな時代を見ることができるのが「水環境館」だ。紫川の歴史を堪能する事ができ、汚れていた当時の水質と色を確認できる。館内は紫川底沿いの地下にあり、大きなガラスを通して紫川の中を見ることができ、まさにリアル水槽と言ってもいいだろう。ガラスには様々な水棲生物が付着し、魚の泳ぐ姿も見ることができ、「死の川」ではない「生きている紫川」を確認できる。また、海に近い事もあり、タイミングがよければ海水と淡水の境目「塩くさび」を見る事も可能だ。ちょうど、コップに水を入れ、そこに塩水を流し込んだら、ウニャウニャした揺らぎのような状態ができる。その状態が淡水と海水の境目として出現するのだ。

それを見る事ができたら、チョットラッキーかも。

他にもここ「水環境館」では、様々な水棲生物を鑑賞することもでき、普通の水族館の「川ヴァージョン」と言ってもいいだろう。都心部の中にあり自然観察のできる場所として人気のスポットだ。さらに付け加えれば、入場無料!これはもう、一度行くしかない!

「水環境館」を出ればそこはもう次の橋だ!

No.7 石の橋(勝山橋) 2000年8月完成 長さ88.0メートル 幅員40.0メートル

井筒屋側とリヴァ”ウォーク側を結び人の流れも、交通量も多い。昔も玉屋や室町付近に旧小倉駅や映画館があったため人や車の流れはよかった。

20年位前までは、路面電車の走る風情のある橋だった。そんな姿は、日活映画「錆びたナイフ1957 」で確認する事ができる。失われた風景は2度と帰って来る事はないが、新しい風景を我々が生み出す事は可能だ。

次の橋もすぐそばだ。しかし、今までと趣が違う。

No.8木の橋(常盤橋)1995年3月完成 長さ85.0メートル 幅員6メートル

TVや映画の時代劇でよく見かけるお江戸日本橋のような木の橋である。この「木の橋」がある場所は、旧長崎街道の起点。元々あった橋を架け替える際に、江戸時代の風情を醸し出すため、木造の橋での架け替えになったのではと思われる。また、リバーウォークの未来的な建造物を背景に見た、「木の橋」とのコントラストは、余りにも極端で過去と未来の日本が一つの空間に混在する面白さを見せつけてくれる。

次の橋は「木の橋」にとっては天敵かも知れない。

No.9火の橋(室町大橋) 1991年4月完成 長さ77.3メートル 幅員15.0メートル

火は木に強い!失礼しました。小倉駅大門線の改良工事の一貫として新設された「火の橋」。橋の両サイドにガスの炎が灯るようになっており、幻想的な雰囲気を醸し出してくれている。

このガスの炎は、個人的なイベントや何かの記念日、愛のメッセージ?等要望に合わせて灯してくれるという。

みなさんもチョットしたメッージを送ってみてはいかがだろうか。

ちなみにこの橋は紫川で明治時代まで行われていた、鵜飼の漁り火をモチーフとしているという。

しかし、紫川で鵜飼が行われていたとは恐れ入った。

さて、いよいよ最後の橋の登場だ。JRの高架下を抜けると一時代を築いた北九州工業地帯の工場群が見える。

すると潮風を感じる。もうすぐ海だ。

No.10海の橋(紫川大橋)1993年4月完成 長さ87.0メートル 幅員35.0メートル

さすがに一番海に近い橋だけあって、船をモチーフにして作られたのだと感じる。船のマストの様な街路灯、船の曲線をイメージした橋脚。

海に浮かんでいる船を連想させてくれる。「海の橋」は交通量が多いため、車道と歩道が完全に分離されており、安心して景色を楽しむ事ができる。潮風を浴びながら、しばらくボーッとしていると気持ちがいい。

水面を見て、「ここの海水と淡水の比率はどちらが高いのだろう」と考えていたら、「水環境館」での淡水と海水の境「塩くさび」を思い出し、ついつい見たくなった。

見れるかどうかは分からないが、期待を込めて、再度「水環境館」を訪れる事にした。今度は河口から上流に登ることで、紫川の新しい顔を、また見ることができるかもしれない。

ライター/碇 義彦

バックナンバーはこちら

コメントは受け付けていません。