綜合警備保障株式会社 北九州支社支社長 熊﨑善夫さん
様々な活動を通して交流のある方を紹介で繋ぐ、リレートーク形式のコーナーです。北九州に仕事や生活の拠点をもち活躍している方々から、この街の多彩な魅力を語っていただきます。
人の温かさに触れ、北九州ライフを満喫
豊かな自然や食文化はこの街の財産
Q.北九州に転勤で来られたのはいつですか?
2008年の4月に引っ越してきて、住み始めて3年目になりました。
生まれは岐阜県、家族は今、三重に住んでいますので、単身で暮らしています。
それまでは九州に縁もゆかりもなかったんです。
Q.北九州について、以前はどのようなイメージをお持ちでしたか?
正直あまり良いものではなかったですね。
転勤が決まった後で、いろいろな人から「危ない所だから気を付けて」なんてことも言われましたから。
職業柄、敏感になるので、「これはかぶとの緒を締めてかからなければ」という気持ちでした。
Q.実際に暮らし始めてどうでしたか?
まったく違っていましたね。他所から来た人を温かく迎え入れてくれる、北九州人の気質というものを実感しました。
こちらに来てすぐ、北単会(北九州単身赴任の会)に入り、いろんな人に接してみると、非常に人が温かい。
この会は、簡単に言うと「単身で来た人を飽きさせないで、一緒に楽しく過ごしましょう」と言った感じの会。
ここでの体験から、自分自身も地元に帰った時には、他所から来た人に対して、温かく迎えてあげたいと思うようになりました。
Q.そのほかに、実際に住んでみて驚いた事はありますか?
食べ物で言うと驚いたのは、吉野家の牛丼の味が違う事。
それまで食べた、東京や名古屋のほうが味が濃い気がします。その地域に合わせた味なのでしょう。
他にはうどんの細麺やゴボ天など、こちらに来て初めて食べましたが、美味しいですね。
全国的に展開しても十分いけると思います。あとは魚が美味しい。ゴマサバの美味しさにはびっくりしました。
それまでサバを生で食べる事がなかったですし、普通に居酒屋で青魚が生で食べられ、しかも安い。食文化は絶対に北九州がいいですね。
Q.お酒を飲まれる機会も多いですか?
週に3~4回、多いときは5回も懇親会等が続きます。肝臓が丈夫でないと北九州勤務は続きません。
本当に北九州はお酒を通じて交流の場が多い都市だと感じました。
また北九州は食べ物が美味しいので、一部のロータリーメンバーと「小倉の食を考える会」という会を作って異業種交流を図っています。
発足当初は8名ぐらいで家族や友人が北九州に遊びに来た時に、美味しいお店へ連れて行こうか、という時に役に立つよう食べ歩くというものであったかと思いますが、今では登録メンバーが130名ほど、毎回30~40人が集って異業種交流会となって、みんなで楽しくお酒を飲みながら親睦を図り、ビジネスの輪を拡げています。
Q.ずっと住んでいると気づかないこの街の良さもあるでしょうか?
あたりまえのようですが、海があって山がある。
中でも門司の山と関門海峡の景色は、北九州の人が誇るべき財産だと思います。
また、都心から30分ほどの場所で蛍が見られる。よほど水がきれいなのでしょう。
最初に家族を連れていくと、子どもがびっくりしていました。他にも工業地帯のイルミネーションなど、実際に見るとその美しさは素晴らしいものです。
全国的に進む高齢化社会が抱える問題
警備業が地域と連携して安心をサポート
Q.お仕事上で、他の町との違いはあるのでしょうか?
当社では、警備業と言う分野で北は北海道から、南は沖縄までやっていますが、ここが特別に犯罪が多いというような印象はないです。
数でいえば、首都圏の方が圧倒的に多いですし、私自身、小倉の町を深夜に一人で歩いても、危険だと感じることはありません。
今後注目されていくだろう取り組みの一つとしては、近隣の香春町での一人暮らしの高齢者宅の非常通報システムがあげられます。
これは町と連携して、通報があればガードマンがすぐに駆け付け、場合によっては救急車を呼ぶなどの対応をし、行政にも連絡をするというシステムです。
実際に知らせがあって行ってみると、お年寄りが骨折をしていたというケースもあり、通報の件数もかなりの数にのぼっています。
今後は北九州でもエリアによってはこういうシステムが必要になってくるのではないでしょうか。
Q.高齢化率は上がる一方で、一人暮らしの家庭も多いですね。
子どもさんがいても遠方に住んでいて、なかなか様子を見に行けない。
そこで家族に代わって、行政と警備会社が一体となって見守るシステムという存在が欠かせなくなります。
たとえば、日に1回もトイレに行かないということはない、あるいは水道を使わないことはないなど、生活スタイルを手掛かりに安否を確認するシステムが、一部では実際に行われています。
このあたりをうまく行政と連携してやっていくことが、安心を確保するうえで今後は大切になってくるでしょう。
住みよい都市・北九州をもっとアピール
次代を担う子どもたちを地域で育む街へ
Q.北九州へのIターン・Uターンを促進する事を目的とする当サイトが、もっと発信すべきことがあるとすれば?
これほどの規模の都市なのに家賃が安い、不動産が安いというのは、あまり知られてないのでは。
交通網も整っているので、都心までのアクセスもとてもいい。
例えば、小倉まで電車で約5分の門司駅前のタワーマンションの最上階が5000万円台。
また、今建築中の西小倉駅前のタワーマンションなどは、歩いてルイビトンが買いに行けます。
そんなマンションは、他ではなかなかないですし、あってもとんでもない価格です。北九州は怖いとか、荒いというイメージがあるが、そうではない良い点をもっと発信すべきでしょう。
もう一つ、いろんな意味でお祭りが多いのも特徴的です。地域ぐるみのお祭りは、子どもにとって、とても楽しいものです。
祭りに係る大人たちと接することで、自分たちも怒られながらいろんなことを教わってきました。
回りの大人が伝統的な文化の中で地域ぐるみで子どもを育てる環境というのは、とても貴重です。もっとこのあたりも行政と一体になってPRしていくといいのではないでしょうか。
Q.この街の良さを、もっとアピールする事が必要ですね。
北九州は大きな病院が多く、医療施設が充実している。高齢者向けの老健施設も多いです。他の都市は不足していて、入れない。あっても高級すぎて費用がとても高いですよ。
Q.これからの時代を担う、若い世代にとって住みよい街になるには?
一部の学校現場では、学級崩壊というのがあるのは事実でしょうが、かつて荒れた学校と言われていたところで、今ではスポーツが盛んに行われ、健全な青少年育成が実践されています。
教育という観点からは、小さな事から真剣に取り組んでいかないといけません。ガラスが1枚割れている、その時点ですぐに対処する。
落書きにしても、すぐに消さないといけない。そのままにしておくと、もっと荒れてしまいます。
これをするのが学校の現場なのか、教育委員会なのか、家庭なのかは分かりませんが、素早く対処することが重要なのです。
かつて公害の町と言われた北九州市が、蛍の住む環境モデル都市に生まれ変わっています。
これからは、「人を育てる街」という取り組みに力を入れ、アピールしていくといいのではないでしょうか。私はそれができる都市だと思っています。
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